シェイクスピアの四大悲劇の一つ「マクベス」をオペラ化したもの(台本フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ)。中世のスコットランド、勇敢な武将マクベスとその妻は、魔女の予言に翻弄される。人間の弱い心を如実に描き、破滅への道へと進む。
2幕で、少年が幻影で現れ、「マクベスよ、もっと残忍になれ」など魔女の代弁をする。Aの現代的な演出では、マクダフが殺された子供たちを救ってやれなかった無念さを歌う時に、少年少女の群像が登場する。
バーナムの森が動かぬ限り安泰と信じるマクベスも、木の枝で身を隠して進撃する兵におののき、さらに「女の腹から生まれた者には負けぬ」と豪語するも、マクダフは「自分は生まれる前に母の腹を割いて出て来た」と答え、マクベスは彼の剣に倒れる。
@1987年、ベルリン・ドイツオペラ公演
A2023年、ザルツブルク音楽祭
ギリシャ神話のメディアを主人公にしたオペラ。ジャゾーネ(ギリシャ神話のイアーソン)とメデアの間の二人の子供が黙役で出演する。
2幕で、メデアが子供たちと別れなければならない悲しみを歌い、付き人ネリスが二人を連れてくる。
3幕では、メデアは神に復讐の加護を祈り、生贄として二人の子供を捧げると言う。ネリスは子供たちを助けようとするが、メデアはジャゾーネの復讐を果たそうと、宮殿に入っていき、子供たちを殺す。
同じ題材の映画『王女メディア』がピエル・パオロ・パゾリーニ監督、マリア・カラスの主演により1969年に作られた。
@2022年メトロポリタン歌劇場公演